本来、人が生きて行くことは苦しみなのだと言う。苦しみから解放され苦しみがなくなるのは、亡くなった後だと言う。死んだ後に神仏になるという考えがある様に、死が全てのバロメーターにはなっていない。人間の一生は死んだら終わりという人がいるが、本当はその人が生きて来た意味は、死後に決まり、そこからその人の新しい人生が始まると言う。亡くなった人は、すぐそこから離れる事は出来ない。肉体から離れて魂はこの世界に残っていて、家族のそばにいる。この世から離れて行くには何年か何10年かの歳月が必要らしい。この世界にしばらく残る理由は、まず自分が何をしたか、何を残したか、自分の子供達に何を教えたかを見る事が必要だからである。具体的な例として、例えば、芸術家の場合、自分が生きている間には自分の絵は世間から見向きもされなかったが、死んだ後に人気が出て絵が高く売れる。そのように価値が上がるという事は死んで価値が上がったのではなく、そこに本人がいるからだと言う。上の世界にあがる前に自分が何を残したかなどを確かめる事をしないで、上に上がってしまうと、自分の子孫はいつか消えてしまうという。例えば自分の子供達が成長して、子供達が父の苦労を見て育ったことが自分たちの礎になって踏ん張った結果、学者になる、あるいは人のために立派に生きる子孫が残ったら、それこそがその人の本当の生きている証なのだと言う。大師様のやっていた施設では、自然治癒で治らないものは受け入れて、次の段階に進まなければならないからである。これは確かに、三次元的な世界の解釈ではなく、上の世界の解釈であるが、今の人達はそういうものの考えをこれから感覚的に養っていかなければならないと言う。