織田信長が上杉謙信と武田信玄に会いに来た。その目的は、刀八毘沙門天名乗る僧侶から預かっている勾玉を受け取るためであった。彼らは、織田信長から「勾玉を渡してくれさえすれば、静かにここを守る事を誓う」と言われた。実際、それから織田信長と一切の戦いが無かった。「信長」の「信」、信玄の「信」、謙信の「信」、この三つの「信」は人を信じる心を表し、それは三種の神器と変わらない強い絆を示す。信玄の「玄」は玄武の「玄」であり、「玄」は「黒」を表すため、信玄は黒を表す。そして上杉謙信の「謙」は何かをかわすという意味があり、「黒」がいつも近くにいて、「黒」をかわす色は「白」である。勾玉はお互いをかわす形で絡み合って一対になっている。信玄の「玄」が「黒」、それをかわすという意味の謙信の「謙」が「白」で、勾玉は白と黒で一対になっている。つまり、黒い勾玉は信玄であり、白い勾玉は謙信を表す。二人が信長に会った時、それぞれの勾玉を一対にして、その勾玉を契約の証として信長に渡したのである。繰り返すが、信長の「信」、信玄の「信」、謙信の「信」で三つの「信」となり、これは人信じる心を表すが、これには、上杉謙信と武田信玄、そして織田信長の三人の関係において重要な意味が込められているのである。